プロジェクトが中止された後も、倉庫には未開封のリール、開封済みのパック、数か月前に発注した部材が残っていることがあります。別の生産に回せる部品もあれば、誰かが再利用や売却の責任を負うまで棚に置かれたままになる部品もあります。

まずは実際に手元にある現物と、自社でまだ必要とする数量を確認します。そのうえで、残った在庫について、買い手が部品を特定し状態を把握できるだけの情報を備えた売却リストを用意します。

実際に販売できる在庫は何か

中止したプロジェクトのBOMは出発点になります。それを倉庫残高、発注残、他の案件の引当と照合してください。入荷済みの在庫、輸送中の品、未納の発注は別々のグループに分けます。未納の発注については、棚にある在庫に加える前に、元のサプライヤーへキャンセルや数量調整が可能か確認します。

材料の所有権が誰にあるかを確認します。EMS事業者であれば、顧客から支給された部品や、顧客固有の取り決めに基づいて調達した部品を保管している場合があります。そうした在庫をオファーに含める前に、所有者の承認を得てください。

他で必要な数量を確保しておく

生産計画やサービス担当のチームに、まだ必要とする部品、その数量、どの案件向けかを確認します。汎用部品は別の稼働中のBOMに使えるかもしれませんし、修理やサービス対応のために必要な部品もあるでしょう。引当ごとに数量と理由を記録し、倉庫がどれを残すべきか分かるようにします。

ある品目で手元に12,500個あるとします。別の生産に3,000個、サービスチームが1,000個を確保し、品質確認用に500個を保留します。すると、査定に出すのは8,000個になります。売却リストには倉庫残高の全数ではなく、この販売可能数量を記載してください。

端数リールも確認します。数量が概算であれば、その旨を数量欄に明記し、最終的な買取数量を合意する前に現物カウントを手配します。数量の相違は、出荷梱包の段階よりもこの時点で解消するほうが簡単です。

ロットと梱包記録をまとめて保管する

残った材料は、品番、ロット、梱包状態ごとに分類します。同じ品番でも未開封リールと開封済みリールは、数量や状態を別々に説明する必要がある場合は別の行に分けます。複数の倉庫に分散している在庫も同様です。

表1. プロジェクト中止後に残った在庫の分類

手元の在庫確認事項対応
別の生産やサービス業務のために引当済みの部品必要数量とその用途その数量を確保し、残りを別途リスト化する。
表示が明確な自社所有の未使用在庫完全な品番、販売可能数量、梱包状態承認済みの数量を売却リストに追加する。
顧客所有の材料所有者の売却承認買い手に提示する前に承認を得る。
複数のデートコードやロットにまたがる同一部品ロットごとの数量と表示行を分割するか、ロット内訳を添付する。
未使用部品を含む端数リールや開封済みの袋残数量と入手可能な取扱記録別行とし、梱包状態を記載する。
表示が不明確なもの、品質上の問題が未解決のもの不足情報と品質確認確認が済むまで売却リストから除外する。

ラベル、外箱、入手元の記録をそれぞれのロットと紐づけて保管します。表計算ソフトの倉庫ロケーションやロット参照から、対応する写真や書類をたどれるようにします。整理中にリールを混在させたり、部品を表示のない容器へ移したりしないでください。

在庫を動かす前に梱包状態を記録する

まず見えるラベルと梱包の外観を撮影します。未開封の保護袋は、買い手が最初のリストを確認する間は開けずに保管できます。開封済みの袋については、倉庫が既に保持している開封日や保管記録を残します。

TIの部品については、メーカーの保管期限に関するガイダンスが、材料、湿気感度、防湿梱包、顧客側の保管条件を関連要因として挙げています。[1] TI製の経年在庫を確認する際は、デートコードと併せてこうした情報も盛り込んでください。

Renesasは、穴が開いたり損傷したりした防湿袋は保護機能を失うと警告し、可能な限り内袋と外袋の保護梱包に入れたままデバイスを保管することを推奨しています。[2] 材料を移す際は、付属の取扱ラベルも一緒に保管してください。梱包が損傷している場合は、出荷前に品質チームへ確認を依頼します。

在庫確認の流れ:所有権と承認を確認し、まだ必要な数量を確保し、残りのロットを確認して取扱方法を比較する。
図1. 買い手に打診する前に、販売可能な在庫を確認する。

在庫の動かし方を選ぶ

自社が何を実現したいかを決めます。期限を決めて倉庫を空にすることと、一部の品目を抱えながら需要を探すことでは、取るべき方法が異なります。買い手には、どちらの結果を重視するのか、リストの一部だけを売却できるのかを伝えます。

表2. 残った在庫の処理オプション

オプション適するケース合意しておくこと
社内での再利用・振替別の生産やサービス案件で同じ部品が必要な場合。部品の適合性、数量、受入チームの承認。
サプライヤーへの返品・発注調整元のサプライヤーが購入条件に基づき返品やキャンセルに応じられる場合。承認、受入可能な状態、手数料、時期。
ロット一括買取提示リストに対する一括提案を希望する場合。対象品目、総額、検査、支払い、集荷。
品目選択・単品売却一部の品目を売却し、残りを保有できる場合。買取数量、部分ロットの扱い、手元に残るもの。
在庫登録と需要マッチング該当する購買需要が見つかるまで在庫を保有できる場合。在庫状況の更新、保管、その後の買取条件。

複数の方法を組み合わせてもかまいません。汎用部品は別の生産のために確保し、一部の品目は買取に提示し、その他の在庫は需要マッチングのために登録する、といった対応が考えられます。残った品目には担当者と見直し日を決めて、別のスプレッドシートの中で埋もれてしまわないようにします。

処分期限がある場合は、その日までに何を完了すべきか(買取決定、支払い、現物集荷など)を明示します。倉庫の立入可能時間や、梱包・積み込みに関する制約も共有してください。こうした情報があれば、買い手は査定と並行して集荷を計画できます。

一括買取の提案を求める場合は、対象品目を在庫リスト上で示してもらいます。これにより、一括提案と個別品目の提案を比較しやすくなります。

買い手がそのまま使えるリストを送る

すべての行について、メーカー名、メーカー品番の完全な表記、販売可能数量を記載します。注文用のサフィックスは省略せずに残してください。デートコードとロットコード、梱包状態、在庫の保管国・地域も加えます。

たとえば、未開封の梱包で4,000個、開封済みリールで600個ある場合は別々に記載します。各ロット行をラベル写真と紐づけてください。同じ部品が2か所の拠点にある場合は、輸送を検討できるよう拠点ごとの数量を示します。

ファイル名はシンプルにします。行やロットの参照番号に写真の種類を添えるだけで十分です。買い手がフォルダ内のすべての画像を開かなくても、特定の行のラベルを見つけられるようにします。

倉庫が確認できる内容を記載します。保管履歴が不明な場合は、その旨を備考に記録します。該当する在庫に関連する入手元の書類は保管し、確認のために必要になった際に提供できるようにします。

送付したリストの日付付きコピーを保存します。別の案件で一部の材料が使われたり、カウント後に数量が変わったりした場合は、リストを更新し、以前の版を確認している買い手にも伝えます。買い手が改訂版を見つけられるよう、行の参照番号は変えないでください。

スプレッドシートの項目については、在庫リスト作成ガイドでより詳しく解説しています。

各オファーの対象範囲を比較する

オファーは同じ在庫リストに照らして比較します。ある買い手はロット全体を提示し、別の買い手は数品目だけを選ぶかもしれません。価格は、買い取られる数量と手元に残る在庫と併せて判断する必要があります。

表3. 在庫オファーで確認する項目

項目買い手への確認記録しておくこと
買取対象の在庫どの品番、ロット、数量を買い取りますか。承諾した品目リストと除外品目。
価格価格はロット全体に対してですか、品目ごとですか。通貨、提示数量、オファーの有効期限。
検査とカウント残っている確認は何か、相違はどう処理されますか。合意した確認内容と差異解消の手順。
支払いいつ、どの方法で支払われますか。合意した支払スケジュールと支払条件。
配送梱包と輸送は誰が手配し、費用は誰が負担しますか。集荷、発送、受け渡しの取り決め。
残った在庫今回の買取後、当社倉庫に何が残りますか。残数量とそれらの品目の次の対応。

一部の品目が売れ残る場合でも、品目を選択したオファーは有用です。残った品目を保管できるか、他で売却に出すか、需要マッチングに登録するかを検討します。追加の倉庫作業や事務作業も判断材料に含めてください。

元の購入原価は、社内で在庫を説明する材料になります。一方で買い手は、正確な品番、状態、数量、現在の需要も見ています。こうした要因が査定にどう影響するかは、部品買取価格に影響する要因のガイドで解説しています。

リスト上で各オファーの段階(検討中、条件合意済み、集荷確定)を記録します。数量が確定したら、他の買い手や自社の倉庫チームが持つ版も更新してください。

受け渡しを完了し、残高を更新する

最終合意リストに照らして出荷分を選び出します。品番とロットラベルを照合し、数量を確認し、梱包状態の変化があれば出荷前に明らかにします。

梱包の間もロットは分けたままにします。元のラベルと取扱指示を残し、必要な梱包替えは買い手と合意します。集荷チームが正しい倉庫の連絡先、積み込み情報、梱包数を把握できるようにしてください。

受け渡し後は、最終的な品目リストを梱包記録や納品記録と一緒に保管します。倉庫残高を更新し、売却済み数量を他の有効なオファーから除外します。保有する在庫には現在のステータス(生産用に引当済み、販売可能、需要マッチング登録中、確認待ちなど)を付けてください。

このタイミングは、中止したプロジェクトの材料記録を整理するのにも適しています。生産計画、購買、倉庫のすべてが同じ残高を基準に動けるようにします。

残った在庫リストをRevalnexへお送りください

Revalnexは、正規品かつ未使用の電子部品を、ロット一括買取および品目選択買取で取り扱っています。単一品番でのオファーも歓迎しており、最低数量は定めていません。材料を保管しておける場合、在庫登録と需要マッチングのオプションにより、該当する需要が生じた際にご連絡します。買取が合意されるまで、在庫はお客様のもとに保管されます。

メーカー名、完全な品番、販売可能数量、在庫の保管場所をお知らせください。梱包の詳細とご希望の売却方法も添えてください。初回査定と見積もりは無料で、1営業日以内に最初のご回答をいたします。

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参考文献

  1. Texas Instruments — Product shelf life(製品の保管期限)
  2. Renesas — Handling Guide(取扱ガイド)